先立たれたペットの遺灰を納めるガラスのオブジェを、福岡県のクリエーターが考案した。
オブジェを身近に置くことで、死後も存在を感じることができる。いつでもそばにいる、という意味から「ソバニ」と名付けた。
新たな供養を提案したのは、福岡県嘉麻市の熊本伴(ともな)さん(49)。先祖の仏壇を毎朝拝むうち、お骨に直接手を合わせた方がいいのではと思うようになり、昨年からペットの遺灰を納めるオブジェづくりの構想を練り始めた。
本業は額縁アーティスト。着物や帯などを額縁に生まれ変わらせる「思い出の再生」に取り組んでいる経験から、今回は、透明で美しいガラスの中に思い出を詰められないかと発案した。
開発したのは、しずくの形をした高さ9センチほど、最大幅5・5センチのガラス製のオブジェで、特許庁の実用新案登録を済ませた。特殊な加工技術で、内部に作った空洞に遺灰を密閉することができる。納める遺灰はごく少量。詳しい方法は「企業秘密」という。
熊本さんは「ペットは家族同然の存在。家に遺灰を置いて供養するというのも、選択肢の一つとしてあってもいいのでは。かけがえのない存在だったペットを身近に感じてほしい」。
熊本さんが運営する「オフィス伴画郎(バンガロウ)」が製作の注文を受け付ける。アクリルケースや木箱をセットにして、遺灰を密閉する作業まで含めて、価格は税別10万円。木箱は台座としても使える。手作りのため、仕上がりまでに1カ月以上かかる。
問い合わせはオフィス伴画郎(080・2733・7970)