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高齢ペットの介護問題が深刻化…追い詰められる飼い主、老犬ホームの利用急増

一昔前と比べ、犬猫の平均寿命が延びている。一般社団法人ペットフード協会の「平成28年全国犬猫飼育実態調査」によると、犬14.36歳、猫15.04歳で、ヒトに換算すれば70~75歳くらいだ。

 

高齢犬猫の介護に追われる飼い主も増え、最近では老人ホームならぬ「老犬ホーム」まで登場している。

 

老犬ホームとは、主に介護が必要になった高齢犬を預かり飼育する施設で、終生預かりやデイケアサービスなどのサービスを提供する施設だ。

 

全国の老犬ホーム情報提供サイト「老犬ケア」を運営するリブモ株式会社が行った「老犬ホーム利用状況調査」によると、2016年3月の有料入居頭数は209頭であったが、17年2月末時点では448頭に増加している。

 

リブモに取材したところ、その背景をこう分析する。

 

「2000年ごろ起きたペットブームで飼い始められた犬猫たちがシニア期を迎えるタイミングなので、利用数が増えているのかもしれません。ペットの高齢化は、フードや医療の発達だけでなく、室内飼いが増えて飼育環境が向上したことも一因ではないでしょうか」

 

ヒトの場合でも、家族を老人ホームへ入居させることには罪悪感を覚える人が多いようだが、ペットの場合はどうだろうか。姥捨て山のように、動けなくなったペットを厄介払いしているケースはないのか。

 

「もちろん、飼い主さんたちも罪悪感でいっぱいで、預ける前にとても悩んでいます。愛犬を最期まで看たいという気持ちはあるのですが、寝たきりになれば目が離せないですし、認知症の犬は夜鳴きするようになり、睡眠不足に陥ったり、近隣からクレームを受けたりするケースもあります。飼い主とペット、双方にとってより良い生活を考えたうえで決断されているようです」(リブモ)

 

買いものなどで少し家を空けただけで、部屋のなかや、愛犬自身が糞尿まみれになっていることもあり、介護疲れで精神的に追い詰められてしまう飼い主は少なくないという。「このままでは共倒れになってしまう」……、そんな葛藤を抱えているのはヒトの介護と同様だ。

 

「老犬ホームを利用することに対し、『ペットを見捨てるのか』といった批判的な意見もありますが、平均すると年間約五十数万円の利用料がかかります。ペットには介護保険がありませんから、飼い主さんの全額負担です。決して安くはないお金を払ってでも、よりよい最期を迎えてほしいという気持ちで利用されている方が多い印象です。また、施設側もお金を払ってくれればなんでも受け入れるというわけではなく、姥捨て山のように考える飼い主は利用を断る施設も少なくありません」

 

飼い主の病気や急逝で預けられるケースも
14年に東京都大田区で開業した東京ペットホームは、高齢の犬猫の終生預かりと介護型ペットホテルを兼ねた施設だ。開業のきっかけは、東日本大震災だという。

 

「被災した犬猫は、シェルターに入りきれないほどあふれていました。万全の準備をしてペットを飼い始めても、災害などによって飼えなくなってしまうこともあるため、受け皿が必要だと考えたのです」(東京ペットホーム)

 

開業当初は、「年老いたペットを見捨てる飼い主が多いのではないか」という心配もあったが、そのような相談はほぼないという。1年以上にわたり介護を続け、悩んだ末に施設利用を決めたものの、預けるかどうか最後まで葛藤する飼い主は少なくないそうだ。

 

利用者がペットを施設に預ける選択をした理由は、ペットが要介護状態になったケースが3~4割、健康上の問題など飼い主の事情によるものが6~7割とのことだ。

 

「15年ものあいだ猫を育ててきた方が重病に陥り、さらに呼吸困難になるほど重度の猫アレルギーを併発してしまい、愛猫と暮らせなくなってしまったというケースもあります。また、急逝された方が飼われていたペットを預けに来る遺族もいます。そのように、急に飼えなくなってしまうケースはたくさんあります」(同)

 

同社では、こうして施設を利用せざるを得なくなった犬猫を預かっているが、飼い主が安心して預けられることはもちろん、犬猫が快適に過ごせることを心がけているという。

 

「動物が大好きなスタッフをそろえることはもちろん、それぞれの動物に合った個別管理を実施しています。飼い主さんそれぞれの思いを個別に反映する意味もありますが、完全にプライベートな空間をつくることで、食事や排せつ物の量も把握できるからです」(同)

 

また、施設の見学や面会をオープンにすることで、利用者に安心感を与えるだけでなく、自らも厳しく律している。

 

「老犬ホームは第二の“犬生・猫生”を過ごす場所なので、時間をかけて選択してほしいです。思い詰めた方が、『すぐに契約したい』とおっしゃることもあるのですが、本当に納得したうえで決断してほしいので、ほかの施設も見学するように勧める場合もあります」(同)

 

こうして利用者とペットに寄り添う同社だが、ペットビジネスの加熱によって悪徳業者が新規参入することを危惧し、老犬ホーム協会の設立も検討しているという。

 

ビジネスとして“うまみ”があるとの評判が立てば、低サービスの施設が増加する懸念がある。ペットにより良い余生を送ってもらうためにも、利用する際は施設をしっかり見極めたい。そして、施設に預けても「家族の一員」という思いは忘れないでほしい。

 

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