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「犬派vs猫派」の大論争 セラピー効果が高いのはどっち?

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「猫と飼い主の絆の深さは、犬と同等かそれ以上である」──そんな研究結果が、オレゴン州立大学の研究チームによって米科学誌『カーレントバイオロジー』(2019年9月号)に発表された。

「犬は3日の恩を3年忘れず、猫は3年の恩を3日で忘れる」とも言われるように、古来、犬は人間に懐き、猫は自由気ままというイメージが定着しているが、そんな通説を覆す研究結果だ。

だが、東京農業大学農学部の太田光明教授によるセラピー効果の実験では、飼い主と飼い犬との関係が「良好」な場合、飼い主は飼い犬と触れ合うことで“幸せホルモン”と呼ばれるオキシトシンの濃度が大きく上昇するとの結果が出ている。

大の犬派を自認する脳科学者・澤口俊之氏は、こんな研究データを紹介する。

「今年10月には『犬を飼うと長生きする』という内容の論文も発表されています。独り暮らしの人を対象にした研究ですが、犬を飼っていると心臓疾患による死亡リスクが33%も低下し、脳卒中では27%、全死亡率は24%低下すると書かれています。2017年の論文では、持病の有無にかかわらず全死亡率を33%下げるという結果もある」

犬を散歩させることで、飼い主の運動不足が解消され、生活リズムが規則正しくなる側面もあるという。

40年間にわたって、代々白のトイプードルを飼い続けてきたジャーナリストの大谷昭宏氏は、愛犬によって心身の健康が保たれたと告白する。

「仕事柄、凄惨な事件なんかを取材することも多いので、気持ちも殺伐としちゃうんです。家に帰ってきてワンちゃんに出迎えてもらうと本当に癒された。ドアを開けると“お帰り”って飛んでくる。あの瞬間に、どれだけ救われたかわかりません。猫だとそうはいかないでしょう」

大谷氏のような、事件記者だけでなく、警察官や政治家など、緊張感の続く職業は愛犬家が多いと言われる。

ロシアのプーチン大統領は大の犬好きで、秋田県知事から贈られた秋田犬と、カラカハンドッグを飼っている。過去には吉田茂元首相も大の犬好きで知られ、サンフランシスコ平和条約の署名に訪れたアメリカで、つがいのヨークシャテリアを購入し、「サン」「フラン」と名付けたとの逸話がある。

また、ヒトラーもドイツ国産のジャーマン・シェパード・ドッグを可愛がっていたことで有名だ。殺伐とした世界を生き抜くには、犬の忠実さと癒しを求めたくなるのかもしれない。

◆猫の経済効果(ネコノミクス)が国を救う
「セラピー効果」について猫派も譲るはずがない。東京大学大学院教授で、無類の猫好きの社会学者・赤川学氏が語る。

「愛猫の存在に、どれだけ救われてきたか。初めて飼った猫が、夜、布団の中に入ってきてくれた日のことはいまでも忘れられない。その当時、妻の帰りが遅く、私はいつも家に一人。そんな時、ずっと愛猫に話しかけていました。ある意味で『愛人』だったんです。彼女がいなければ、私は孤独に耐えられなかったかもしれない。猫ほど心の癒やしになる動物はいないと思います」

古くは清少納言、夏目漱石からタモリ、宇多田ヒカルに至るまで猫好きの有名人には感性豊かな人が多い。赤川氏はさらに、猫が寄与するのは人の健康だけではないと主張する。

「国の経済まで救っています。猫は飼い主の負担が軽く、単身者でも共働きでも、体力的に犬の散歩が負担になる高齢者でも飼いやすい。そうして近年、猫の飼育数が増加していった結果起きたのが、『ネコノミクス』です」

CMや写真集、SNSで猫がもてはやされ、そうした猫ブームによる経済効果は、年間2兆円とも言われている。

「『イヌノミクス』とはついぞ聞かなかった言葉でしょう。インスタも漫画も、最近は猫ばかり。写真でも絵でも、猫は“映える”んです。まぁ、飼育数やSNSなど小難しい分析はさておき、猫の方が単純に可愛いということが、ネコノミクスの最大の要因だと思いますよ」

かようにどこまでも相いれない犬猫論争。飼い主たちの愛情あふれる大激論も、ペットにとっては「犬に念仏、猫に経」かもしれないけれど……。

※週刊ポスト2019年11月22日号