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「殺処分ゼロ」追求の裏側で、闇に消える犬や猫たち…

人と動物が共生する社会を実現するために、ペットの流通はどうあるべきかーー。東京弁護士会は1月14日、ペット流通の問題点について話し合うシンポジウムを開催した。

 

動物愛護の問題に取り組む政治家やジャーナリスト、ペット業界関係者らが登壇し、動物愛護法の問題点や、ペットの流通のあり方について議論した。

 

●「殺処分ゼロ」追い求めるだけでは問題は解決しない

ペットを取り巻く問題として、たびたびクローズアップされてきた殺処分の問題だが、以前と比べその数は大きく減少している。環境省の調査結果では、1974年に約120万匹だった犬猫の殺処分の数は、2015年には、約8万3000匹まで減少している。

 

これに加えて、2013年に改正動物愛護法が施行され、自治体は、ペットショップなどの「犬猫等販売業者」からの引き取りを拒むことができるようになった。安易に自治体に持ち込むことを防ぎ、殺処分の数を減らす狙いがあった。その結果、「殺処分ゼロ」を達成する自治体も出てきた。

 

ところが、行政がペット業者からの引き取りを拒むようになった結果、売れ残ったペットを有料で引き取り劣悪な環境で飼育する「引き取り屋」と呼ばれるビジネスが活発化し、問題視されるようになった。

 

朝日新聞・文化くらし報道部の太田匡彦氏は、こうした現状を指摘した上で、「行政で殺処分をゼロにするということを追求しても、問題は解決しない」と指摘した。

 

太田氏は、「改正動物愛護法が施行された後も、(ペット業界の)ビジネスモデル自体はほとんどかわらないまま存続している。一部の悪質業者に販売され、闇に消えていく犬や猫、無責任な消費者に買われてしまう犬や猫など、たくさんの問題が起きている。

 

適切な市場管理が行われていないために、現状まったく救えていない」と動物愛護法が十分に機能していない現状を説明。「動物取扱業者の一層の適正化や、地方自治体の動物取扱業者への監視の強化が必要だ」と訴えた。

 

●「数値規制がない現状では、動物愛護法はなんの解決にもなっていない」

なぜ、動物愛護法が機能していないのか。政治家を志す以前からボランティアなどで動物愛護の問題に取り組んできた塩村あやか東京都議会議員は、現状の動物愛護法には、規制のための具体的な「数値」が定められていないことを指摘した。

 

欧米などの一部の国では、犬や猫を繁殖させる回数や、飼育するスペースの大きさ、親元から離して譲渡することができる時期などが細かく規定されている。

 

塩村議員は、こうした数値規制を日本でも設ける必要性を強調した。「数値がないと行政は動かない。数値規制がない現状では、動物愛護法はなんの解決にもなっていない。早急に省令などで盛り込む必要がある」と訴えた。

 

「数値規制」のひとつとして「8週齢規制」の問題が議論にのぼった。これは、人間や他の犬猫などとの生活に無理なく馴染む社会性を身につけるために、生後8週間(56日~62日)は親元で過ごさせるようにするという考え方で、ドイツなど欧米諸国で取り入れている国がある。

 

改正動物愛護法でも「8週齢規制」は設けられたが、暫定措置として49日で販売が可能となっているため、事実上骨抜きとなっている。札幌市が2016年に条例で独自にペットショップやブリーダーの「努力義務」として設けているのみだ。

 

塩村議員は、売れ残って引き取り屋などのもとで亡くなる命を減らすために、「8週齢規制は実現しなくてはならない」と強調した。「供給の数を絞り、需要に見合う数だけを供給することが必要だ。ペットショップに並ぶ動物を減らすために、数値規制は有効だ」と訴えた。

 

●「命あるものの在庫」どう考えるべきか

一方で、業界団体である全国ペット協会・名誉会長の米山由男氏からは、数値規制について慎重に考えるべきだという意見がでた。

 

米山氏は、劣悪な環境で飼育するブリーダーやペットショップについて「論外」だと指摘。「そうした業者は厳しく取り締まっていただいて、どんどん退出してもらわなければ困る。一蓮托生で(ペット業界)みんなが悪いと思われるのは迷惑だ」と語った。

 

その一方で、海外で取り入れられている数値の基準を、日本でそのまま取り入れることについて、「軽々に決めることはできない」と慎重姿勢を示した。

 

今後のペットの販売のあり方として、元衆議院議員で料理研究家の藤野真紀子氏は、「大量に生産をして、大量に消費するというこれまでのあり方では、どうしても在庫がでる。

 

「命あるものの在庫をどう考えるのか」「数を増やそうと思えば、劣悪な環境でブリーディングする業者などがどうしても出てきてしまう。品質の高いブリーダーやペットショップなど、数に走らない、質を高めていくという方向を追求していく必要があると思う」と述べていた。

 

情報提供元:弁護士ドットコムニュース