ペットショップの「ペッツアベニュースマイルワン」(新潟市中央区)=写真=は、犬と猫の販売を取りやめ、ペット向けの幼稚園やホテル、トリミングなどアフターサービスに事業を特化させた。ペットの飼育放棄や殺処分が社会問題化する中、グッズ販売の充実などを通じて適正なペット飼育のサポートをしていく。
スマイルワンは2006年に開店し、釣り具総合小売業の本間釣具店(同市西区)が運営する。犬猫の販売についてはこれまで、人間との生活に早く慣れるよう、しつけをあらかじめ行うなど飼育放棄を防ぐ工夫を重ねてきた。「犬の幼稚園」や飼い主の悩みを聞きながら一緒にトレーニングする「スクール」、ペットのストレス軽減にこだわったホテルなども展開している。
ただ、殺処分ゼロを目指すには販売そのものを見直す必要があると判断した。収益の柱の一つを失うことになるが、従業員の雇用は維持し、他のサービスに振り向ける。
これまでの販売スペースは4月末に改装して、物販エリアを拡大。安全性にこだわった素材の餌や衣装など、取り扱う商品を大幅に増やす。動物愛護団体とも協力して譲渡会を開くなど、保護を待つ犬や猫と里親との出会いの場も設ける方針だ。
同社の本間章浩常務は「犬や猫の販売をせずに店を続ける挑戦となる。飼い主に寄り添い、サービスを充実させたい」としている。