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「犬猫殺処分ゼロ」実現への高いハードル



一般社団法人ペットフード協会の推計によると、2013年度の飼育されている犬猫数は2061万5000頭(犬が1087万2000頭で、猫が974万3000頭)にも上る。ペット関連市場は1兆4000億円を超えるといわれ、動物専用の美容院や医療施設の数も増えている。

いまや番犬などではなく「コンパニオンアニマル」となった犬や猫は、飼い主から十分に愛情を受け、ケアされるようになった。もはやペットは単なる愛玩の対象ではない。人間にとって欠かせない家族の一員であり、人生を教えてくれる存在にもなっているのだ。

■ 年間に12万頭以上が殺処分

一方で、殺処分される犬や猫もいる。その数は2013年度で、12万8135頭(保管中の病死も含む)にも上っている。

そのような命を救おうと、2月12日に衆院第二議員会館で、「犬猫の殺処分ゼロをめざす動物愛護議員連盟」(通称・ハッピーゼロ議連)の設立総会が開かれた。自民党から共産党まで超党派の議員約60名が参加し、会長には元厚労相の尾辻秀久参院議員、事務局長には社民党の福島みずほ氏が就任した。




 「動物愛護全般でやろうという声もあったが、まずは一番大事な殺処分問題から取り組みたい。視察をしたり勉強会を開いて、政策提言を出すことも考えている」

小学校3年生の時、動物愛護センターに連れて行かれた隣家の犬を引き取りに行った経験を持つ福島氏は、やる気満々でこう述べた。同設立総会には議員だけではなく、2020年の東京五輪までに犬猫殺処分ゼロを目指すキャンペーンを展開する女優の浅田美代子氏やタレントの杉本彩氏なども参加。杉本氏も「2020年までに生体販売ゼロを目指したい」と語っている。

会場では資料として「全国都道府県知事からのメッセージ集」も配布された。犬猫の殺処分は自治事務であるため、各自治体の取り組み方が重要になる。

これを読むと、香川県や沖縄県では殺処分数が多い一方で、目覚ましい成果を上げているのが神奈川県で、2013年度には「犬の殺処分ゼロ」を達成した。その主力となったのがボランティアの存在だという。同県保健福祉局の担当者はこう述べる。「ボランティアの中に犬の訓練士の資格を持つ人がいて、問題行動がある犬も訓練して新たな飼い主に引き取ってもらえるようにした。こうしたボランティアの数が増えたことが一番の要因だ」。

■ 犬殺処分ゼロを達成した神奈川県の悩みは子猫

神奈川県は引き続き「犬の殺処分ゼロ」を宣言。同時に猫の殺処分ゼロも目指している。しかし猫は外飼いが多く、年に2度ほど妊娠・出産するため、どうしても管理が難しい。さらに子猫の場合は人間が育てにくいという事情もあって、犬以上に新しい飼い主が見つかりにくいこともある。実際に神奈川県では2013年度の猫の殺処分数は約440件で、その多くが子猫だったという。

神奈川県と同じく、積極的に殺処分数減少に取り組んでいる高知県では、犬の殺処分数は2008年から2013年までに、約3分の1に減少させた。猫については2014年度から獣医師会と協働してメス猫の不妊手術費の一部公的負担事業を展開し、飼い猫1匹について6000円、野良猫1匹について1万円助成するということで、年間490万円の予算を計上している。だが2338匹(2013年度)という殺処分数をゼロにするまでは遠いといえる。

 

「犬猫問題は地方自治体の自治事務になっているが、自治体で予算を組んでやるとすればどうしても『犬や猫より人間を重視せよ』と言われてしまう。やはり国が積極的に取り組んでいかなければならないのに、現在の国の予算は1億円程度であまりにも少ない」

民主党・新緑風会の安井美沙子参院議員は、国がより積極的に犬猫問題に関与すべきだと主張する。安井氏もハッピーゼロ議連のメンバーで、被災地の福島県から猫を2匹引き取っている愛猫家。10日の参院決算委員会では「動物収容・譲渡対策施設整備補助金」について質問した。

■ 現状はNPOやボランティア頼み

「日本の犬猫の殺処分数は諸外国と比較して格段に多い。国として殺処分数の目標を立てるなど、なんとか数を減らせないだろうか。そもそもこの問題で環境省のコミットメントが低すぎないか。動物愛護管理法で国の責務が限定されているために、妨げになっているのか」

質問する際に安井氏は、資料として殺処分された犬や猫の死体が重なっている写真を委員会で配布した。「犬や猫は愛護センターに引き取りをされてから3日から7日の間に新しい飼い主をまち、出てこなければ殺処分される。その間は冷暖房もないところに押し込められ、衰弱して死んでしまう例もある」。

ところが国の補助率が2分の1と低いため、自治体が設備を整えようとしても、なかなか手をあげにくいという事情がある。安井氏は述べる。「国が予算を使わないから、全国のNPOやボランティアが代わって自腹で活動している。例えば2013年度の予算は1億7100万円が計上されているが、これを当時の引き取り数(約17.6万頭)で計算すると、1頭あたり971円になる。もう少し費用をかけて施設を改修するなどすれば、助かる命も増えるのではないか」。

動物愛護は何も動物のためだけではない。動物に優しく命を大事にする社会は、人間にとっても生きやすいはずだ。そういう意味で殺処分という悲しい運命の犬や猫がいなくなることを、誰もが祈らずにはいられないだろう。

 

情報提供元:東洋経済オンライン

 

運営会社:合同会社ペコアス